2025.06.02
「SEIYOいい話コンテスト」の2024年受賞作品をご紹介いたします。
当社のフロント社員の作品です。
民主主義において何か決めごとをするときは、一般的に多数決をとって行われます。
それは国会や選挙をはじめ多くの決めごとに用いられ、我々が管理するマンションにおいても例外ではありません。
私の担当するマンションの一棟では、少数ではありますが車椅子で生活を送っている方が住んでいます。
今でこそバリアフリーを取り入れたマンションが当たり前に建設されていますが、築年数20~30年のマンションになると段差や、手すりがない階段が多く見受けられます。
居住者の方は特に気にすることはなく、車椅子利用者様も我慢していると思われます。
あるときそのマンションを巡回している中で、居住者の方から「車椅子で生活している人がいるから、マンション入口の段差をなくしてほしい」と言われました。
私はこのマンションと取引のある複数の業者に車椅子用スロープの設置工事の見積もりを依頼し、理事会で提案しました。
どれも金額が数十万円する大がかりなものであり、設置の依頼も車椅子利用ではない居住者の方からであったため、理事会の多数決の結果、設置工事は見送られることになりました。
その期の総会でも話題になりませんでした。
私も多数の意見なのだから、仕方がないのかなと心の中で思っていました。
その後、車椅子利用者様がマンションの柱にしがみつきながら段差を通過しようとしていたと居住者の方から報告があったため、暫定的ではありますが、ネットショップで車椅子用スロープを探し理事会で提案しました。
以前提案した車椅子用スロープに比べると大きさや強度は劣りますが金額が大変安価であったため購入が決定しました。
後日、スロープを設置しにマンションに行ったとき、マンションの居住者の方々が、工具をもって段差の近くでスロープが届くのを待っていました。
スロープを設置した後、大きさや強度、滑りやすさを改善するために色々と工作が加えられ、見積もりでイメージしていたスロープより断然使い勝手がよい仕様となりました。
私から協力をお願いしたわけではありませんが、何人もの居住者の方が車椅子利用者様のことを気にかけていたことを知り心が温かくなりました。
また、車椅子利用者様の視点に立つと、車椅子での総会出席に申し訳なさを感じたり、少数の意見は賛同を得られにくい状況であったのだろう、と振り返りました。
多数の意見に耳を傾けることは大切ですが、今回の車椅子利用者様のように、少数派の意見や、そもそも意見を言いにくい空気である状況でないかを意識するようになり、居住者の方との何気ない会話も気にかけるようになりました。
後日、車椅子利用者様の方から感謝の言葉があったと居住者の方から報告があり、管理組合、理事会、管理会社とより一層、信頼関係が築かれたできごとになりました。
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