『PERFECT DAYS』を観て

2025.02.01

ヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』を観ました。
第76回カンヌ国際映画祭で役所広司が男優賞を受賞した作品です。
 
役所広司が扮する平山は公共トイレの清掃員です。
彼の一日は、まだ薄暗いなか近所の老婦が枯れ葉の広がる道路を竹箒で掃く音とともに始まります。
布団を畳み身支度をして駐車場にある自動販売機で缶コーヒーを買い、ワゴン車に乗り込みます。
車内では70年台のロックをカセットテープで聴きながら、渋谷区内の公共トイレを転々と巡り、七つ道具を手に隅々まで磨き上げていきます。
平山の真剣なまなざしと所作には頭が下がります。
昼食はコンビニで買ったサンドイッチ。田中泯扮する老人が舞踏のようにゆっくり動く姿が視界に入るなか、木漏れ日の空をフィルムカメラで記録に残します。
仕事が終わると銭湯の一番湯で身体を洗い、大衆食堂で簡単な食事をすませて帰途に向かいます。
帰り着くと布団の中で文庫本を読み、眠りにつきます。
 
毎日同じことが繰り返されるなかに、細やかなエピソードが挟まれます。
姪が家出してきて、「いつかはいつか!今は今!」と歌いながら自転車を併走。
古本屋では幸田文の樹木に思いを馳せる文庫本『木』を買い求めます。
死期を宣告された同年配の男性と夢中に戯れる影踏み。「影は重なると濃くなるのか、何も変わらないのか。」
 
ある日。
いつも通り仕事に向かう車の中で、平山の顔が2分程度映し出されます。
その表情は、言葉の奥底にあるさまざまな思いをただただ語ります。言語モデルをキーとする生成AIでは決して語り得ない木漏れ日の多様な思い出とともに。
 

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