エスカレーターの片側歩行は危険ですよ！

2015.12.01

師走の休日。
都心部の駅周辺では、子供の手を取りエスカレーターを昇り降りする親子連れの姿をよく見かけます。
急ぎの用で上階に向かう人を気遣い、親子連れはちょっと無理した姿勢で、片側は空けてたたずんでいます。
エスカレーターに乗る時、皆様は左右どちらを空けますか？
大阪・神戸では左側、その他の地域では右側を歩行スペースとして空けているようで、大阪・神戸では１９７０年の大阪万博の折に設置された「動く歩道」で導入された『英国式マナー』が定着したという説が濃厚です。
しかし、交通マナー「歩行者は右側通行」に照らし合わせると、右側空けが正解のようにも思えます。
でも、お待ちください。
昇降機メーカーの団体である日本エレベーター協会によると、「エスカレーターの安全基準は、ステップ上に立ち止まって利用することを前提」に設計されています。
「すり抜けざまに他の利用者や荷物と接触して、思わぬ事故を引き起こすこともあります。」
「バランスを崩して転倒するなど、大きな事故を引き起こすことがあります。」
また、「たとえば左手を骨折していて、右手でしか手すりにつかまれない方がいらしたとします。その方はエスカレーターの右側にしか乗れませんが、右あけが慣習となっていたらとても不自由で危険です。他の利用者を巻き込む恐れもあります。」
消費庁のホームページによると、東京消防庁管内において、平成２３年から平成２５年までの３年間で３，８６５人が、エスカレーターでの事故により救急搬送されているそうです。
必ずしも片側歩行が原因ではないとは思いますが、エスカレーターの片側歩行は思わぬ事故にいたる危険もありますので、くれぐれもご注意ください。