眼が悪かった印象派の画家たち②

2019.08.16

8月1日の記事の第2弾として引き続き印象派の画家たちについてご紹介させていただきます。


 

印象派の巨匠モネは、驚くほど光に対して敏感でした。
しかし、ものの動きやゆらぎに対しても同様であったことは次の絵からも察することができます。

モネも晩年は白内障になり、「睡蓮」のシリーズがそれまでと違って夢幻的なのはそのせいだと言われていますが、こんな驚くべきことを語っています。

 

「自分は盲目に生まれてくればよかった。」

 

高階秀爾氏の『絵画の見方』の解説によれば、
「盲目に生まれてきて、そしてある日突然目が見えるようになったとすれば、自分の目は、記憶や先入観によって影響されることなく、全く純粋に外界を見ることができるだろう。
“そのとき、自然は何と美しく多彩な輝きを見せてくれることだろうか”というのが、モネの言いたかったことである。」

 

初めて生まれてきた人間のように、世界を見ることができればという願い。
それはしかし、ある意味では不安なことでもあります。
予め意味づけられている世界から切り離されて、孤独に光の洪水と向き合うという作業。
ここには、世界から少し遠ざかった結果、独自の美を見出した孤独な魂がありました。
そして、その発見は、眼がとても良かったことより、おそらく少し悪かったことによって生まれてきたのではないかと思います。

 

またドガは外の光がまぶしすぎて耐えられなかったため、室内の絵を多く描いたと言われています。網膜疾患だったのです。

 

モネとドガの眼病は、専門医の間では有名で、最近は研究論文も書かれています。
Ophthalmology and Art: Simulation of Monet’s Cataracts and Degas’ Retinal Disease

 

彼らはおそらく普通の眼を持っていなかったのでしょう。それは画家としては短所でもあったのでしょうが、自分を信じてそれを長所にしてみせたところが、非凡だったのではないでしょうか。

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