4年目の雪かき作業

2020.02.01

「SEIYOいい話コンテスト」の2019年受賞作品をご紹介いたします。

当社の管理物件に勤務する管理員の作品です。

 

 

≪4年目の雪かき作業≫

~誠実に一生懸命仕事をしていれば、いつか解って頂けるんだ~


定年退職をしたので、暫くはのんびり好きなことでもして・・・と思い半年余りぶらぶらしていましたが、どうも充実感が感じられず「マンション管理員」として働かせて頂くことになったのが5年半前でした。

とは言え、今まで家ではほとんど掃除をすることもなく、電球交換すら渋々やっているような状態でしたので一抹の不安もありましたが、仕事として「管理員」をする以上はしっかりと職務を果たす覚悟で就任しました。

実際就任してみるとある程度想像はしていましたが、毎日毎日色々な事があり、それをこなしていく事で精一杯でした。

また、居住者の方と出来るだけ早く馴染めるために挨拶や声掛けに努めました。

 

そんな中2年目の冬の1月のある日、午前中から雪が降り始め瞬く間にあたりが真っ白になり、どんどん積もり始めました。管理員になって初めての雪に戸惑いながら、とにかく雪かきをしなければと防寒服を着て、長靴を履いて、スコップひとつで必死に雪掻きを始めました。

腰痛持ちなので少し不安でしたがそんな事も言っていられません。雪掻きの面積も中庭の駐車場、駐輪場周りからマンション前の歩道とかなり広い範囲に亘り、一人で汗びっしょりになり一生懸命に雪掻きをしました。

ひょっとしてこの様子を見て居住者の方の一人でも手伝いに来て頂けるかなと思いつつ作業をしていましたが、そういうことはなく、ちょっと孤独感を感じながら1日中雪かき作業に追われ、へとへとに疲れて何とか退勤時間までには終了することができました。

そんな経験から、とにかく冬に雪が降らないようにとの思いが強く残りました。

 

3年目になるとだいぶ業務にも慣れ、特に清掃業務においては自分なりに細部まで目が届くようになり、色々工夫ができるようになり、やり甲斐が出てきました。

居住者の皆様にも「ご苦労様。」、「宜しくお願いします。」との声を掛けて頂けるようになりました。

 

そして4年目の冬の1月のある日またしても雪が降ったのです。しかも前日の夜から降った雪がすでに積もっており、当日も降り出していました。私はマンションに着くなり防寒服、長靴、スコップで雪掻き作業を始めました。

2年前の降雪を思い出しながら作業をしていると、暫くして「ご苦労様です。」と言って居住者の女性が一緒に作業を始めました。私は「あまり無理をしないで下さいね。」と声を掛けると、「私は普段家庭菜園で鍛えているから大丈夫よ。」と明るく答えて頂き、とても嬉しい気持ちになりました。

また暫くすると、「私も手伝います。」、「スコップを貸してください。」と次々に居住者の方が駆け付けて下さり、気が付けば女性4名男性2名合計6名の方が一緒に雪かき作業をして頂き、和気あいあいでとても楽しい作業になり、2年前の雪掻き作業を思うとやっと少しでも皆様に認めてもらえたのかなと感謝の気持ちで一杯になりました。

 

そして誠実に一生懸命仕事をしていればいつか解って頂けるんだと確信しました。

現在管理員になって5年半、これからも居住者の方がよりよい環境で過ごせますように益々管理員業務に励み、それが自分の生き甲斐にもなるように頑張りたいと思います。

 

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