私の居場所

2020.02.20

「SEIYOいい話コンテスト」の2019年受賞作品をご紹介いたします。

当社の管理物件に勤務する管理員の作品です。

 

 

≪私の居場所≫
～大きな声で元気に明るく挨拶～

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マンションの管理員という今までまったく経験のない仕事に就いてから早いもので1年が過ぎました。

初めてこちらのマンションに来た時には正直何もわからない状態でただ先輩の指導に従い仕事を覚えました。その先輩の退職にともない採用されたので当然なのですが、1人になった時の頼りなさといったらありませんでした。

居住者の方はさぞや心配だったことでしょう。今も心配だよと言われるかもしれませんが。

その時の私はどんな方が住んでいるのかもわからず、仕事もとにかく覚えたことをやるしかない、と頑張りました。

 

何より心がけたのが『大きな声で元気に明るく挨拶』です。

それは「おはようございます」だったり「こんにちは」だったり「ありがとうございます」だったり言葉はいろいろですができるだけどんな方にもするようにしています。

もちろんマンションへ来館された方にもです。ほとんどの方が挨拶を返してくださいますが中には何もおっしゃらない方もいらっしゃいます。それでも私は挨拶をします。

なぜなら私が挨拶したいからしているのであって挨拶を返して欲しいから言っているのではないからです。

そのうちに「毎日ありがとう」とか「いつも一生懸命やってくれてありがたいけど無理はしないでね」と声をかけてくださる方がお子様を含めていらっしゃるようになりました。

 

働き始めてすぐの猛暑の頃にはこんなことがありました。

「働くのやめなさい」と少し怒り気味におっしゃる方がいるのです。

私は何か気分が悪くなるようなことでもしてしまったのかと心配になったのですが「あまりにも暑いのでもう無理しないで休みなさい」という意味だったようでありがたかったし嬉しかったです。

また、始めの頃はまったく挨拶してくれなかったお子様が小学校の帰りに毎日のように管理室に顔をみせてくれたり、保育園に行く前に顔をみせてくれて「いってきます」を言ってくれるようになりました。

 

そんな毎日を過ごしているうちに皆さんの顔を覚え、仕事を覚え、さらに自分なりの工夫もできるようになってこのマンションでの日常に溶け込めたように感じています。

初めての仕事でどうしていいかわからなかった私に居場所が出来たと、そう思えるようになったのです。

だから、いつも居住者の方に「ありがとう」と言われるたびに「こちらこそありがとうございます」と思っています。こんな私に居場所をくださったのですから。

『大きな声で元気に明るく挨拶』をこれからも続けて、私の居場所であるこのマンションでこれからも楽しく働いていけたらいいなと思っています。