一生忘れない心の財産

2020.03.01

「SEIYOいい話コンテスト」の2019年受賞作品をご紹介いたします。

当社の管理物件に勤務する管理員の作品です。

 

 

≪一生忘れない心の財産≫
～さあ、今日も心を込めてきれいに掃除しよう～

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私は管理人という仕事をするのは始めてで、何もわからずこちらのマンションに来たのが6年前のことです。

毎日のように3、4人の住民の方から、「ここが汚い」「窓ガラスは毎日拭いて欲しい」などとご指摘をいただき、「自分には能力がないのかもしれない、もうダメだろうか」と思っている矢先、主人が病気で入院することになりました。

 

そんな中、ある住民の方が「病気にご利益のある神社のお守りをもらってきた」と渡してくれました。

わざわざ行ってきてくれたそうで、私はその方の気持が嬉しくて涙しました。

その2日後、別の方から身体に良いと話題の食品をいただきました。

私のことをこんなにも気に留めてくれていた方がいたなんて・・・。

 

今までのつらい気持がふっ飛び、住民の方がなにをすれば喜んでくれるかと考えて、これまで以上に掃除に専念しました。

それから、1人、2人と「いつもありがとう」と声を掛けてくれる方が増えていき一層頑張ることができました。

掃除中に後ろを向いていて気付かない時も、ご住民の方から「今日は暑いから気を付けて」と声を掛けてくれ、「すみません気が付かなくて、いってらっしゃい」と返し、なんとも気分の良い朝が始まります。

 

私は「辛いときに助けていただいた恩返しをしたい」という思いで仕事に取り組んできました。

当初、掃除についてご指摘をいただいていた方からも「ご苦労様」と労わりの言葉をかけてもらい、感謝しながら仕事をすることを住民の方から教えていただいた気がします。

一生忘れない心の財産をいただいたマンションの皆様に恩返しをすべく、日々「さあ、今日も心を込めてきれいに掃除をしよう」と意気込んでいます。