〇〇さん、こんにちは

2013.07.16

前回の「ハートふるコラム」では井上陽水さんの「人生が二度あれば」をついつい口ずさんでしまいましたが、ちょうどあの歌が街中で流れていた1970年代、当時の中高生はラジオの「深夜放送」に夢中になっていました。
深夜放送の醍醐味はハガキでの投稿にあったように思います。ディスクジョッキーと呼ばれた番組の司会者が自分の投稿を読み上げてくれたときの喜び。翌日クラスメイトにひとしきり自慢したものです。
投稿のほとんどは「ペンネーム」によるもので、「匿名希望」という名前が多くの中高生に次から次へと使われました。
「匿名希望」の名で投稿された言葉は、その場その場で「笑い」や「涙」とともに輝きますが、すぐに通り過ぎて行きました。
先日会社の近くの飲食店で「知った顔」を見かけました。
取引先の担当者であることまではわかったのですが、会社名も名前も思い浮かびません。
先方からは親しげに話しかけられます。こちらからも快い言葉を返そうとするのですが、会社名がわかりませんので話題は探り探りとなり、お名前が思い出せないからかうまく間合いがつかめず、さらには申し訳ない思いによる気後れもありどうも話しは弾みません。
一所懸命思い出そうとすればするほど思いは空を切ります。会話のキャッチボールには「匿名」ではままならぬことを思い知り、店を後にしました。
出張時に定宿としているビジネスホテルでのできごと。
チェックインの時にはこちらが名乗る前に「〇〇さん、お帰りなさい」と言葉をかけられます。
月に1度か2度しか利用していないのですが、いつからかそのホテルのフロント係はどなたであっても「〇〇さん、お帰りなさい」と変わりなく暖かい声で迎えてくれます。
「〇〇さん、おはようございます」「〇〇さん、いってらっしゃい」出張の日の朝は心地よい思いで仕事に向えます。
名前を覚えてくれていること、名前で呼んでもらえることが、私にとってそのホテルは居心地の良い「場」となり、その折その折ただ通り過ぎるのではなく、「また帰って来よう」という思いを抱かせます。
そのマンションの管理員さんはお名前で語りかけることの大切さを実感されていたのだと思います。
入居開始3ヶ月後だというのに、すれ違うひとりひとりに「〇〇さん、こんにちは」と声をかけ、子供たちには「〇〇ちゃん、どこ行くの」と問いかけるのです。
その管理員さんはお部屋番号やお名前とともに、ご入居されている方々全員の顔を記憶していました。
50戸ほどのマンションとは言え、あまりのことに驚き、その秘訣をお聞きしましたところ、直接「お名前」をお聞きするのではなく、入居者同士の会話やエレベータを降りられる階などありとあらゆる断片的な情報をもとに頭の中に「顔」付きの「入居者名簿」を作成されていたのです。
入居されている方々が、お名前で話しかけられることに喜びを感じ、このマンションに「住み続けよう」と思われていることを祈念いたします。
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