一秒という神秘について

2021.07.01

人間は一秒を時間の最小単位として生活を送っていますが、
では一秒は何によって決まっているのでしょうか?
一秒はもともと地球の自転周期(一日)÷24÷60÷60で算出されていましたが、
うるう年やうるう秒が出るのでそれでは不正確だということで、
現在では一秒は、セシウム原子133の振動数で91億9263万1770回分ということになっているそうです。

厳密すぎて頭がクラクラしますね…。

しかし、原子時計がデジタル的に正確な時を刻み、それが世界の標準時の基準となっているという説明には、なんとなく頷かされるものがあります。

ただそれでも、人間が生活する上での時間の最小単位は、なぜ一秒なのでしょうか?

 

人間が生まれてくる時、最初に感じる規則的な律動は、母親の心臓の鼓動ですね。
現代人の安静時の心拍数は、男性で60~70/分程度、女性で65~75/分程度。

 

生まれたばかりの赤ん坊は、母親が近くにいないときは、心臓の鼓動の音を聞かせてやると落ち着くといいます。
そしてやがて、人は子供から大人になるにつれ、自らの心臓の規則的な律動を頼りに、自らの歴史を切り開いていきます。それが人生、といえるのかもしれません。

 

本川達雄氏によると、野性の哺乳類の寿命は心拍数15億回だそうです(『ゾウの時間 ネズミの時間』中公新書)。人間の場合、心拍は約1秒毎ですが、ハツカネズミは0.1秒、猫は0.3秒、馬が2秒、ゾウは3秒かかるといいます。

 

ハツカネズミが時計を発明したら、その最小単位は0.1秒になったことでしょう。ハツカネズミの一生は、人間にとってはめまぐるしいほど早く、そして短いのです。一生は2~3年で終焉します。
では? 人間の15億回分とは何年なのでしょうか? 実は26.3年だそうです。
この寿命は、縄文人の寿命の推測値(31年)に近いものです。野性状態ならば、人間もこのくらいしか生きられないのですね。

残りの人生は、文明によって生かされた命、といえます。

 

短い視点で見れば、この文明は現在、新型コロナウイルスに脅かされているように見えます。

しかし、文明開化の時代、外国人の流入が始まった明治維新直後には、コレラ、ペスト、結核などが不治の病として蔓延していました。

それらの伝染病との戦いのなかで、今の日本人の長寿が保たれるようになったと思えば、今回の新型コロナの流行も、文明開化以来の、絶えざる公衆衛生上の戦いの一環としてとらえられるのではないでしょうか。

時代は少しずつよくなっている。そのことは数多くの撲滅された伝染病からも、平均寿命のデータからも確認することができます。

日々、いろんなニュースに一喜一憂せざるをえない毎日ですが、文明によって生かされた命を、大きな目で支え合って、生きていきたいと思うこの頃です。

 

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