2015.06.16
2011年3月11日、東日本の太平洋沿岸を激しい地震が襲いました。
まだ多くの子供たちが学校に残っていた、平日の下校時。
岩手県釜石市鵜住居地区の鵜住居小学校・釜石東中学校の学区域において、空前の大避難が繰り広げられたことを御存じでしょうか。
釜石市では2004年から、地震と津波防災の意識を高める活動を実施してきました。
市内の子供たちは学校の授業や防災訓練を通して普段から、「どうやったら命を守れるか」を考え、訓練してきたのです。
2校は海岸から直線距離で400m程の平坦な場所にあり、近くに全員が避難できる高台がありません。
もしものときは学校の横を通る一本道を、山へ向かって逃げるしかないのです。
日頃から両校合同で避難訓練を行い、中学生が小学校低学年や園児たちを手助けして、一直線に避難することを確認していました。
(実際に通ってみた時の写真です)
上の写真の奥には大槌湾が開けています。
更地の部分には、地震の前には鵜住居小学校と釜石東中学校が建っていました。
「もしものとき」がついにやってきた午後3時半過ぎ、この道を子供たちは教えられたとおりに、山方向の恋の峠(標高50m)を目指して全力で走り抜け、その行動に触発された多くの大人たちの命をも救ったのです。
「釜石の奇跡」として有名になったその大避難行動の裏に、じつは重く辛い事実があります。
現地の旅館にお邪魔して、女将さんに伺った話です。
「この事実を奇跡と喜んではいない。
市内のほとんどの子供達は助かったけれど、5人の子供が亡くなった。迎えに来た家族と一緒に帰宅途中で…。学校職員にも犠牲者は出た。
無事だった2926人の子供と共に、その5人の命も忘れないでほしい。
ここに住む私達は決して“奇跡”などではなく、“釜石の出来事”だったととらえている。
すぐ隣の大槌町の悲劇も考えると、ひとりの犠牲も出さない未来のために、私達が経験した“出来事”として皆さんに伝えてほしい。」
岩手宮城福島の太平洋岸の被災地域を見て回る中で、沢山の方々のお話を聞かせていただきました。
どの方も口を揃えて、無事であったことをただ感謝するだけでなく、きちんと語り継ぎ、経験を他の地域の人々に生かしてもらう活動を続けていきたいとおっしゃっていました。
是非とも、今日からでもできる「もしものとき」のための準備をしていきましょう。
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