2021.05.16
夜明けとともにカラスの朝礼が始まります。
第一声が発せられるやいなや、それに呼応して、北から南から、東から西から、満天に輝く星々のように、点在したカラスがその所在を表明します。
けたたましく始まった鳴き声の応酬は、やがて断続的になり、互いを気配るようにゆるやかで柔らかな声色に変化した後、静穏を迎えます。
司令塔からの号令に従い、互いに連携し、颯爽と群れをなして行き来しながら目的地へと向かうカラス。
フットボールの選手のように効率的なフォーメーションで、飛行は中空から路面に繰り広げられます。
カラスには二種類の漢字が使われます。
暗闇のなかで顔の輪郭が判然としないためか、鳥をデフォルメした「烏」の文字が当てられることもあり、牙のように獰猛な鳴き声を持つためか、きばへんを持つ「鴉」の文字で記されることもあります。
日本神話に登場する八咫烏(やたがらす)は、神武天皇を大和まで案内した導きの神として人々から敬われてきましたが、この「人新世」の時代ではカラスは残飯を漁る害鳥となり果ててしまいました。
願わくば、ゴミを散乱させることなく平穏に生息してほしいものですが、アスファルトに覆われた市街地を見渡す電柱の上の方から、カラスは投げやりにこう答えるに違いありません。
「カラスの勝手でしょ。」
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