管理室は小さな美術館

2022.06.16

SEIYOいい話コンテスト」の2021年応募作品をご紹介いたします。

当社の管理員の作品です。

 

 

「管理室は小さな美術館」

 

62歳で第一線を退いた後、今まで地域活動など何一つしていなかった私は行政が主催した「男の生き方塾(定年後楽しく生きる方法を伝授)」に参加いたしました。学びあり、ボランティアあり、視察・街歩きあり、飲み会ありと大変楽しいものでした。

その仲間の一人が定年後にマンションの管理人をしており「規則正しい生活ができるし健康のためにも良いし、飲み代くらいは稼げるよ」 という話をしてくれました。

糖尿病予備軍である私は医者からも運動が大事と指導されていて、体を動かしながら小遣いを稼げることは一石二鳥と思い、どこかにお世話になろうと考えました。

そんな時、たまたま見つけた求人にて面接を受けました。管理人の仕事は初めてで不安が顔に出ていたのか「あなたにできるの?」という顔で見られたことを思いだします。

そんな出会いから始まり、この6月末で勤続10年が経過し11年目に突入しております。今では午前中はマンション管理人、午後は子ども相手のボランティアをしています。

 

子どもが大好きな私はマンションの幼稚園児と小学生を「行ってらっしゃい」と送り出しています。

ある朝、小学校1年生の女の子を送り出し、しばらくするとその女の子が泣きながら駆け戻って来ました。「どうしたの」と聞くと「変なおじさんから声をかけられた」とのことでした。

それから3カ月くらい一人で通学できず、私が清掃の合間を縫って途中まで送っていきました。その女の子も今では3年生になり元気に小学校に通っています。

今では、マンションの子どもだけではなく前を通る子ども達にも「行ってらっしゃい」と声掛けして見守り活動をしており、マンションの育爺(イクジー)、いや、地域の育爺をしております。

 

近年はコロナ禍で子どもたちは自宅にいることが多くなり、管理室の小窓を覗きにくるので開けてあげると遊んでいきます。

ある日、幼稚園児の男の子が「かんりにんさん、おてがみをもってきました」と小窓から覗いていました。扉を開けてあげると手紙を手渡ししてくれました。「ありがとう」とお礼をして一緒に封を開けてみると、そこには5人の顔が描かれておりました。

顔を指しながら「これは誰ですか」と順に聞いていきます。「ぼく」「おねえちゃん」「おかあさん」「おとうさん」ときて、「最後の一人は誰ですか」と聞いたら「かんりにんさん」と言ってくれて、「ぼくのいえにあそびにきてね」と文字が書き添えてありました。

それから絵を描くのが大好きなお姉ちゃんも何枚か描いてきてくれました。

 

また、3歳の女の子とお母さんが管理室に用事があり来られた際に、ドアに貼ってある絵を見て「これはなんですか」と尋ねられました。「マンションに住んでいる子どもが描いてきてくれました」とお答えすると「じゃあ、娘も描いてきましょう」と言い戻られました。

数日後、女の子が「えをかきました」と持って来てくれました。「ありがとう」と書き添えて。

 

管理室には子どもたちが描いてくれた絵がドアいっぱいに貼ってあります。

管理室は「小さな美術館」に早変わり。絵を見ていると心が和みます。

私はあと1、2年位で定年を迎えます。管理人は人の役に立てる仕事であり、挨拶ひとつで人を幸せにできる素敵な仕事です。やりがいと生きがいをもって一生懸命に努力したいと考えております。

 

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